2026年シーズン、シナーアルカラスの2強vs他勢力という構図自体は大きくは変わらなかったように見える。ただ、アルカラスの離脱、シナーの出場大会の選別等、ここ二年とは異なる波が起きているのも事実だ。ここでは2026年シーズン前半の主要トピックを振り返る。
シナーの安定感
今シーズン前半を振り返る上で避けては通れないのが、ヤニック=シナーのツアー支配だろう。シーズン序盤は全豪オープンではSFでジョコビッチに、続くドーハ500ではメンシクに敗れはしたものの、マスターズ1000シリーズのインディアンウェルズ、マイアミの2大会を続けて優勝。4月クレーシーズンに入ってからは、モンテカルロ、マドリッド、ローマとマスターズ1000のタイトルを総なめした。全仏オープンでは二回戦負けと大方の予想を裏切る早期敗退となったが、それでもツアー前半のマスターズをすべて勝つというのはやはり異常な安定感と支配力の裏付けと言える。なお全仏オープン後のウィンブルドンでは優勝。出場大会の選択と集中でツアーをリードした。
アルカラスの離脱
シーズン前半にツアーを支配したヤニック=シナーと対照的だったのが、アルカラスだ。全豪オープンを優勝し史上最年少で生涯グランドスラムを達成。続くドーハ500でも優勝と今シーズン最高のスタートを切ったアルカラスだったが、続くマスターズ1000シリーズのインディアンウェルズ、マイアミでは優勝を飾れず、さらにクレーシーズンに入り最初のマスターズであるモンテカルロでも決勝でシナーに敗れ戴冠を手にすることはできなかった。その後、手首のけがでツアー離脱を発表。なんと全仏オープン、ウィンブルドンまでスキップするという事態となった。序盤が好調だったが、怪我に泣くシーズンとなっている。
ホダルの台頭
ラファエル=ホダルのブレークスルーは今シーズンを語る上では避けられないだろう。165位でスタートした今シーズン、前半のデルレイビーチ250、アカプルコ500でランキング上位に勝ち始め、マラケシュ250クレーで初のツアー優勝。ここからクレーシーズンで一気にランキングを上げた。マドリッド、ローマでQF進出。全仏オープンでもQFまで駒を進め、一気にTOP30まで駆け上がった。クレーでのプレーはすでにTOP10の実力があるといっても過言ではないだろう。安定してクレー以外のサーフェスでも実力を発揮できるかが今後問われる。
ズべレフの戴冠
アルカラスが離脱、シナー、ジョコビッチが早期敗退となった全仏オープン。戴冠を手にしたのはアレクサンダー=ズべレフだった。近年シナー、アルカラスの陰で安定した成績を納めていた無冠の男がキャリア初のグランドスラムタイトルを獲得した。思えば、初めてズべレフがグランドスラムの決勝の舞台に立ったのは2020年の全米オープン。ドミニク=ティームに対してあと一歩のところで勝ちを逃し準優勝となったあの決勝戦だった。その後決勝まで長らく勝ち進むことはできず、昨年2025年の全豪オープンでようやく再度決勝まで勝ち進んだ。この決勝こそシナーに敗れたものの確実にグランドスラムのベスト4以上にコンスタントに勝ち進む力をこの二年間でつけてきたように感じる。これまでの敗戦を乗り越え挑戦し続け獲得したグランドスラムタイトル。続くウィンブルドンでも決勝まで勝ち上がった。これからの彼のグランドスラムでのレベルは要注目だ。
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